『ライバルはいるか?』
- 沓掛塾
- 4月17日
- 読了時間: 3分
更新日:5 日前
スラムダンクと白い巨塔が私は好きだ。
漫画、小説とジャンルは違うが、どちらもライバル関係を描いた珠玉の名作だと思う。
私はライバル関係の話が好きだ。
というより、ライバル関係へのあこがれがずっとある。
そして自分がライバル関係とは無縁の人生を送ってきたことを強く後悔もしている。
いや。無縁、というのはうそだ。
ライバル関係をもつことから私は意図的に逃げてきた。ライバル関係をもつなんて”熱い”ことはやりたくない。そんな”熱さ”を一切まとわず、”クール”に淡々とやりたい。ライバル関係にたいして斜に構えた姿勢で生きてきてしまった。
桜木と流川(スラムダンク)。財前と里見(白い巨塔)。彼らのような天才だからライバル関係がなりたつのではない。凡人でもライバルをもつことはできる。私にもライバルを持てる機会はいくらでもあった。
私は小、中、高と野球をやっていた。どの段階でも、意識してしまうチームメイトはいた。しかし、誰かを意識して野球をするのをかっこ悪いと思ってしまい、ライバル視することから私は逃げた。クールに淡々とやろうとした。”熱く”なれるチャンスを逃した。
社会人になってから始め、今でも続けているテニス、ゴルフ、マラソン、歩く(競歩)。そのいずれにおいても、ついつい気になってしまう存在はいた。私は社会人になるころにはすでにライバル関係へのあこがれと後悔があることをはっきりと自覚していた。にもかかわらず、私はここでも誰かをライバル視することから逃げた。”熱く”なれるチャンスを逃し続けた。
スポーツにかぎらない。勉強でも、仕事でも、ライバル関係はもてる。
しかし、私はこれまで取り組んだことのあるあらゆることにおいて、ライバル関係を持つことから逃げてきた。ライバル関係に正面から向き合うことができなかった。
人生は航海だ。
それと同時に、人生は後悔だ。
後悔のない人生を送ろうと誰もが願い日々生活していると思うが、それでも後悔はついてまわる。
それなりの年月を生きてきて、私はライバル関係というものから逃げてきたことが人生の最大の後悔と考えている。

本書は、統計データに基づきながら、ライバルのメリットをこれでもかと畳みかけてくる。
ライバルは人生を豊かにし、人を成長させる魔法の杖ということだ。
ライバル関係から逃げてきた私にとっては刺激が強すぎた。後悔の念もだいぶ強化されてしまった...
とはいえ、後悔ばかりしていてもしょうがない。
本書に出会えたのを機に、次にチャンスがあったらライバル関係を持つことから逃げずに向き合うことにしたい。
これからは”熱く”生きる。
私に限らず、本書は誰にでもそうしたきっかけを与えてくれる本だと思う。おもしろかった。
ライバルという言葉への思い入れが強すぎて、ついつい自分の話に終始してしまった。最後に塾ブログらしいことも。
本書によればライバルの存在はパフォーマンスを上げてくれる。つまり、ライバルは成績を上げるのにも効くということだ。
たしかに、安直に、成績を上げたいならライバルをもて!といったところで、そううまく相手が見つかるとは思えない。すぐに誰かをライバルにしろというのは、すぐに誰かを好きになれというのと同じくらい無茶な要求だからだ。
しかし、ライバルの効能を子供に知らせておくだけでも、後々(私のように)ライバル関係から逃げるようなことはなくなるのではないだろうか。
ライバルがみつかり、ライバルと正面から向き合ったとき、きっとその子の成績は上がっていくはずだ。
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