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フォニックスについて教えてもらったら子供にやらせてみたくなった

  • 沓掛塾
  • 4月1日
  • 読了時間: 6分

フォニックスとは


フォニックス(英: Phonics)とは、英語において、綴り字と発音との間に規則性を明示し、正しい読み方の学習を容易にさせる方法の一つである。英語圏の子供や外国人に英語の読み方を教える方法として用いられている。(ウィキペディア より)


私はフォニックスについては、言葉自体は知っていましたが、その具体的な中身は知りませんでした。しかし以前から気にはなっていました。とくにその効果について。



幸運にも塾にフォニックス体験者の生徒がおり、フォニックスの効果について教えてもらうことができました。



私にとってとてもためになる内容でしたので、フォニックスの効果に焦点をあてて、教えてもらったことをまとめておきたいと思います。




教えてくれた生徒


教えてくれた生徒は中学2年生。

英語が得意。英語は定期テストでも実力テストでも95〜100点。

フォニックスを学んだのは小学5年の初め。





効果① 

単語を見て発音がわかるようになる・音を聞いてスペリングがわかるようになる



これはフォニックスの謳い文句そのままです。



実際にそうなれるらしい。



つまり、フォニックスをやると、英語の音とスペリングが一体化して頭に入ってくるようになるようです。



そうであれば単語を覚えるのに苦労しないでしょう。実際、その生徒は英語学習開始当初からその苦労はなかったと言っていました。



私自身を振り返ると...


私は英語学習を中学生からスタートしたのですが、音とスペリングを一体化して捉えられる境地に達することができたのは、中3〜高1であったと記憶しています。



単語を見てその発音がわかる(予想できる)ようになり、音を聞いただけで単語のスペリングが書ける(予想できる)ようになるのに3年ほどかかったということです。



私はその3年間は、特にその初期の中1〜2の頃は、単語を覚える際、例えば English という単語なら、


イー エヌ ジー エル アイ エス エイチ


というように、ぶつぶつ言いながら書いて覚えていました。



英語としての音を無視し、ぶつ切りのアルファベットの文字列として、つまり音とスペリングを分離して私は英単語を捉えていました。 



よくこんな非効率なことをやっていたものだ今と思うと呆れてしまいます... 



音とスペリングの一体化。



私の場合3年ほどかけてやっとたどり着いたその境地に、フォニックスをやると英語学習を開始し程なくして到達できるということです。





効果2

発音がよくなる


フォニックスをやると、英語の音とセットでそれに応じた口の動きも身につくため、発音がよくなるようです。



私は生徒にこんな質問をしてみました。


mother   [ʌ]


father  [ɑː]


bird  [əː]


apple  [æ]



4つの単語の ア の音に違いはあるか?(発音記号をつけておいたようにこの4つの単語の ア は全て違う。)



その生徒はこの4つは違うと即答しました。音と口の動きの対応を示してくれながら。



私自身を振り返ると...


私は高校時代、発音問題対策として区別しづらい発音を覚えるために、単語と発音記号をセットで暗記していました。上で上げた4つの単語の発音もその時に覚えたものです。



フォニックスをやっていればやらずに済んだ苦労だったということです。



教えてくれた生徒は発音記号を知りませんでしたが、受験対策という点では今後も知る必要はないでしょう。





効果③

英語を口先で話さなくなる


教えてくれた生徒は言いました。



「英語を話すときは首あたりも使うんです。」



私はこれを聞いて、その生徒が身につけていること、つまり彼がフォニックスを通して学んだことは本当に素晴らしいことだと思いました。



日本語というのは、良くも悪くも口先だけでしゃべれてしまう言語です。それに対し英語は、私の感覚ではのど(とのどの周りの首)〜口全体をしっかり使わないときちんと話せない。



しかし私たち日本人はどうしても日本語と同じように英語も口先だけで話そうとしてしまいます。



フォニックスをやっていれば、日本語の”発音動作”に縛られることなく、はじめから英語ならではの”発音動作”を身につけられるということです。



私自身を振り返ると...


私はかつてドイツで生活していました。ドイツ語も英語同様、のど〜口全体を使わなければきちんと話すことができません。



私はドイツ生活当初、口先だけでドイツ語を話していました。だが生活する中で小さなコミュニケーション不全を繰り返し経験し、口先だけの発音の限界に気づかされました。そうしてやっとのど〜口全体を使って話すようになりました。



これはドイツ語についての経験ですが、私はこの経験を通してはじめて、自分の英語の”発音動作”についても見直せるようになれました。



だいぶ遠回りをしたものです。



ところで、私は第二外国語として中国語を学んだのですが、中国語も口先だけではきちんと発音できない言語です。英語、ドイツ語、中国語、日本語。スモールサンプルからの推測ではありますが、おそらく日本語というのは口先だけを動かせばまっとうな発音ができてしまう希少な言語なのではないでしょうか。



そうであればなおのこと、フォニックスを学ぶことで、日本語と外国語は”発音動作”が違うということを外国語学習初期に身体に染み込ませることは有益だと思います。





効果①~③のまとめ


フォニックスの効果は


① 単語を見て発音がわかるようになる 


    音を聞いてスペリングがわかるようになる


② 発音がよくなる


③ 英語を口先だけで話さなくなる


の3点です。



この3点はそれぞれが相互に独立したものではありません。重なり合っています。重なり合っているどころか、一つのことを三つの切り口で取り出しただけとも言えます。



ともかく私は、フォニックスの効果を以上のように理解しました。






感想① 

私もフォニックスをやっておきたかった


私も英語学習のスタート時にフォニックスをやっておきたかったとしみじみ思います。



私たちは小学校のはじめに五十音の発音練習をします。つまり、日本語学習では私たちはみなフォニックスを学びます。日本語学習のスタートとしてフォニックスが重要だと考えられているためでしょう。



それなのになぜ英語学習のスタートで学校はフォニックスをやらないのだろうか。そんなことも思いました。





感想② 

子供にフォニックスを学んでもらいたい


私には現在未就学児の子供がいます。これまではとくに学校で英語が始まるまでは英語学習をさせようとは考えていませんでした。学校だけで十分と考えていたわけです。


(なお、塾講師として多数の子供をこれまでみてきて、”早期の英語学習をやっておくと受験英語で有利になる”という考えに私は懐疑的です。)


ですが、フォニックスを知った現在は、考えが変わり始めています。



フォニックスは英語という日本語とは異なる言語を、はっきりと異なる言語として学んでいくための土台を作ってくれる。



小学校で英語が「教科化」される小学5年生の前ぐらいには、フォニックスだけは子供に身につけてもらえたらよいのではないかと考え始めています。








 
 
 

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